霜里農場訪問記 その3

ふみこみ温床の説明を聞く。


米ぬか、わら、おから、くん炭等の材料を順繰りきっちりと隙間なく踏み込んでいく。
そして、嫌気性菌で発酵させ、30度という温度を、冬の間たもたせるという。
アンビリーバブル。
私にすれば、電熱線の温床マットを敷いて22度設定で終わり。
この時、満面の笑みを浮かべて、彼は得意げにこの技を披露した。
この苗床の温床は、嫌気性菌(微生物)の働きによるもの。タダのもの。

彼の農業は、すべて金の要らない農業。
温床どころじゃない、肥料は山の落ち葉、牛のふん、鳥のふん、もみがら、有機物などで作る。
緑汁、肥料どころか、エネルギーだって作る。
バイオガス、恐るべし。
VDF,SVO,などのエネルギー自給。
太陽光や、まわりの山の木を利用したウッドボイラーで住宅の暖にまで、エネルギーに変えてしまう。

そして金がかからないといえば、種。
種は、五里四方でとれ。
ほとんどの農家は、種は種苗店で買うのに、自家採取。
あるいは、有機農家の種苗交換会で入手する。
種に関しては、いろいろな問題があるので、次回へ回そう。

私の場合、売り上げは、まあまああるが、悲しいかな必要経費がかかる。
種代、肥料代、動力代、包装、ダンボール代、資材代などかなりかかる。

霜里農場の場合は、ほとんどタダ。
売り上げが、ほとんど利益収入になる。

有機農業は効率が悪いといわれて、食っていけるのかと心配するが、
霜里農場で研修を受けた若者は、初期投資は大変だが、経費がかからないので、結果として、食っていけるのである。

霜里農場恐るべし。