有機JAS農産物が増えない理由


安心安全の優等生として登場した有機JAS農産物の認証制度だが、一向に増えない。全農産物のわずか0.17%。
私が推測するその理由に迫りたいと思う。

1.
  国や農業関係団体が、有機農産物の重要性を認識していない。
小規模農家、いわゆる弱者的農家を無視している。大規模農家に有利な国の政策。
この国は少数意見は通らない。
小規模農家が、生き残るため(大規模農家に打ち勝つため)には、質の高い有機農産物をつくることに他ならない。
その小規模農家を国は、サポート、有機農産物の発展に寄与しなくてどうするの。

2.
  小規模農家で有機農産物を生産しているのに、コスト面や、煩雑な書類等の提出などを理由に、申請を諦める農 家が多い。
この点小規模農家に、JAS有機農産物の認定機関の検査料を、国が援助すべきだ。
私と同じ有機農産物を作っておきながら、申請していないから、有機農産物ではありませんよ、なんてのは、ナンセンス。
売り場の舞台に上がった時点で、有機農産物でなくなる、なんてありえない。

3.
  信頼関係で結ばれた顧客との契約栽培では,市場にでることがない。当然、有機シールを貼って、他の野菜と区別する必要がないので、
有機農産物への申請は必要なくなる。
当然である。
あくまでも、野菜売り場に並んだ時点での差別化の話である。

4.
 プライドの高い有機農家は、甘っちょろいJAS有機農産物制度の認定なんかは受けない。
現在の有機農産物のJAS規格は、無農薬ではない、当然化学的に合成された農薬は禁止されているが、微生物農薬と称される
約30種類の農薬は使用してもよい。
ただし農産物に重大な損害が生ずる危険が差し迫った場合のみ使用と、書かれてあるが、この点プライドの高い有機農家は甘っちょろい制度だ,というのであろう。
  
 また、種苗についても(改めて今度書く)、JAS規格にはいろいろ書かれてあるが、結局のところ(入手困難な場合)なんでもいいことになっている。しかし当然将来、改正されてしかるべきであろう。
  
私の結論はこうだ。
 
・小規模農家が有機農産物を生産すれば、JAS有機農産物の申請手続き料を国が助成。
・小規模農家が有機農産物を生産すれば、JAが書類作成を代行する。
・小規模農家が、JAS有機農産物のシールを貼って、他の野菜と差別化して勝負する。
・小規模農家で構成される直売所では、有機農産物の品揃えでもって、優位販売できる。

・プライドの高い有機農家も無料でJAS有機農産物制度に加入すべき。
・プライドの高い有機農家の有機農産物には、「生物農薬、微生物農薬不使用」と 明示し、生産履歴を開示する。
・高いレベルでの競争をめざす。
・農薬を使った慣行農法の野菜は、生産履歴の情報をすべて開示する。
・当然、農薬を使った慣行農法の野菜は、使用した化学農薬の種類、回数、濃度、目的等を開示する。
・でも考えてみたら、今の店頭の野菜は、使用した化学農薬の種類、回数、濃度、目的等を開示するのが先決だ。
・フェアにいきましょ。