「あんたが一番幸せやわいね」
こないだのお葬式で、2日間とも受付をしていたので、たくさんの親戚の人たちに会ってとても疲れた。
母の姉が天国に召されたわけだが、あの年代になると悲しくて泣くという行為は全く見られなかった。
私の母が、後に残された3人の兄弟の年長になったからか、気丈にふるまい、普段にない元気な母であった。
四六時中、兄弟、周りの親戚とぺちゃくちゃ、おしゃべり。
話題は自分自身の病気のこと、子供のこと、年金のことなど、幸せの比べ合い。
○子さんの勝ち、今度は○子さんの負け、行司の軍配が見えた。(笑)
「娘二人、孫もたくさんおって、○子さんの方が幸せやわいね。」
「あんた厚生年金か?」
「厚生年金やったら遺族年金もろとるげんろ。」
母には孫もいないし、年金は微々たるものだし、農業しか自慢するものがない。
母も負けじと、息子の農業を、自慢しはじめた。
「楽しんで、一生懸命やっとる。私もやわやわと、てったいしとらんや。」
「息子が隣におって、どこでも連れて行ってくれるし、あんた一番幸せやわいね。」
大きな声がホールから聞こえる。農業を継いでくれた私のことが自慢なんだな。
悲しいような、うれしいような。
やっと普段の生活に戻れた。土相手の仕事が自分に合ってて、どんなに楽かと思った。
来年の干支のうさぎの手ぬぐい。
今年はたいへんだった分、来年の農業に期待するものが大きい。
ずっと天気悪いし、昨年の冬と大違い。
来年はどんな年になるかな。