西茶屋 桜まつり〜農家、花街をゆく

西茶屋の検番の、改修をお祝いし行われた桜まつリ、初日におじゃました。



何回か西茶屋は前を通ったことはあるが、花街文化を体験したのは、生涯初めて。
まず驚いたのは、「ようこそ、ようこそ。」と、ダブル芸妓さんのお出迎え。

1階で一人5千円を払い、三枚つづりのチケットを渡された。
2階に案内され、まずビールを芸妓さんから、お酌してもらった。
エッ、テーブルの上にはお寿司や、オードブルが、用意されているの?

最初の一時間、飲食しながら、芸妓さんとの会話で夢ご心地になる。もうこんなこと一生ないだろうな。
同じテーブルには、埼玉や東京やロンドンから来られた観光客、地元の本物の旦那。
大いに盛り上がった。私より金沢のこと知っている。



いよいよ踊りと歌が始まる。長唄「元禄花見踊り」が披露された。



踊りや唄を楽しみに来たのにちょっと寂しかった。でも5千円で贅沢言ってはならない。
若旦那の花街文化講座の「レッスン1」って感じかな。

お茶屋の女将さんたちも接待してくれた。明月の女将さん、堅田乃莉さんにお会いできたことはラッキーだった。歌舞伎の話題で花が咲いた。


歌舞伎の演目に、「籠釣瓶花街酔醒」がある。
大百姓次郎左衛門が初めて吉原見物に行き絶世の花魁、八橋に出会う。

アバタ面の次郎左衛門は、八橋を見受けする話が決まりかけるが、
八橋自身が面前でドタキャンする。
大勢の前で、次郎左衛門は、赤っ恥をかく。それは、釣鐘権八の悪だくみが原因である。
恨んだ次郎左衛門は、久しぶりに花街、立花屋にやってくる。
名刀「籠釣瓶」で八橋はじめ大ぜいを殺害した。実話に基づいた狂言である。

無知無教養の代名詞であった百姓と、特殊社会で暮らす、花街吉原の花魁の悲劇である。




所詮、農家と花街は住むところが違うのである。農家は土のことさえ知っていればよい。