雪溶かす 月のなみだで 春が来る  (新月作)

外は雨、お慈悲か、月の涙が落ちる。

大雪だからといって、ひるんでいるわけにはいかない。
雪をかき分け、育苗室にたどり着き、育苗床を覗いてみると、あらまあ大変。
「大将、手ぜまになったんで、日当たりのいい広いマンションおねがいします。」
と、苗が言っているようにみえる。ハイハイ、わかりました。


もっと大きく育つために、そろそろ鉢上げをしなくてはいけない。
そのために午前中、育苗土の準備にかかる。明日は、りくつな器具で鉢に倍土を入れる予定。
また入口付近の雪かきに励む。


育苗室に、3羽の野鳥が紛れ込んでいた。
天窓を開けて、そらいけと脱走を促すが一向に出口がわからない様子。
ようやく一匹逃げて行ったが、名の知らない大きめの野鳥は、あいも変わらずガラスに体ごと突進する。
うまく捕まえ、外に逃がしてやった。
うれしそうに青空に飛んで行った。不思議に、放火魔みたいに現場に再び現れるんだよな。
ピー、ピーとなんだか「大将、恩にきるぜ」と礼を言いにきたみたい。

大雪で、鳥たちに一夜の宿を貸し、お代は緑の有機物。
なんだかいいことをしたので、気分がすがすがしい。



農口さんの「常きげん」山廃純米無濾過生原酒、美味しゅうございました。