新春を寿ぐ 万才のルーツを見る

ここ最近、金沢のお正月は初売りからバーゲンを始めているから、街は信じられないくらい混んでいる。
とはいっても昨年も繰り出したが、駅までもいけず、私だけをおろして、妻R子様はご帰宅。
今年も同じパターンで、町の中には入れず。

「Rちゃんの分まで、参拝するから」と言い残して、尾山神社に向かった。



小雨が降るが、足元はよい。帰りにも寄ったが、長蛇の列にびっくり。




前田のお殿様に、ごあいさつ。



今日はお目当ての「加賀万歳」の新春特別公演を見る。
21世紀美術館のとなりの、能楽美術館は無料とのこと。
明日はなんと、これまたタダで狂言のお芝居が見られる。





生で見るのが初めて、金沢市民でもめったにお目にかけることができない無形文化財
前田利家がまだ越前府中の3千3万石ののお殿様だったころ、領内の「越前万歳」が府中城に、
年賀を祝いに参上していた。それは400年も前のこと。
やがて前田利家が金沢に移ってからも、律儀にも金沢城に毎年、来訪し藩主の前で万歳を披露した。

その後文化文政のころ、能の舞いや、謡を取り入れ金沢独自の洗練された「加賀万歳」が誕生した。
その中心的人物は、大石藤五郎という人らしい。「加賀万歳」は200年の歴史がある。







演目は、
「式三番叟」。御萬蔵とや、とくわかに御萬蔵とや、屋形榮えてましませば、天より寶が降り来り・・・。
「北国名物魚尽くし」、金沢の約50種類の貝や魚を織り込んだ楽しいもの。
「町尽くし」、金沢の寺社や町名、今はなくなった町なんかが出てきて、懐かしいもの。町名復活してほしい。京都の人は偉いな。
「北国下道中」、参勤交代では13日間かかった道のりが、もうすぐ2時間半でお江戸につく。なんとも軽快な唄。「おんとま〜り〜」

合い間に、金沢弁でのジョーク、今の万才と同じであった。ちょっと下ネタもあったりして。
正月に下ネタとは?とちょっとひいたが、お座敷で行われる、「御殿万歳」なわけで、
男の人たちを笑わせたに違いない。私も大いに笑った。





それでは紹介しよう。
ここ最近雷がやたらなって、こないだも〜外に行ってみたら煙が出てて、火事になっとった。
その横にかわいらしい女の子供がおって〜、美味しい「へそ」を求めてやってきたんやけど、南に行くつもりが、落っこちて、ははーん、お嬢ちゃん、雷の子供やろ。
金沢に来たけど、誰も今、金沢じゃ、へそ出して寝とらん。

その女の子は、3段重のお弁当を持っとって、見せてくれと言うたら、一段目、見せてくれた。
バッタやイナゴの佃煮。一つもろうて食べたら美味しかった。

2段目も見せてくれとたのんだら、これは私らの主食やから、「へそ」だという。
これももろうて食べたら、柔らかくて美味しかった。

そして問題の3段目、何はいっとらんや?たのんこっちゃ、見せてくれ、と頼んだが、
今度は見せられん!という。一段目のバッタ、2段目の「へそ」と、うまいこと見せてくれたのに、なんでや?

女の子はこう、わしにいったんや。







「へその下は見せられない!!」

失礼しました。