ビオワイン 家族の愛が 詰まってる

                        

欧州農業事情視察団に参加して
                              
 
  

このたび欧州農業視察団に参加させていただきありがとうございました。
特に印象に残った3ヶ所の視察先をご報告したいと思います。
まず「食」をーテーマに掲げるミラノ万博、有機農業最大国イタリア、
そして未来型、効率重視のオランダ農業、の三つです。
それと終わりに、まとめとして今後私の農業にどう生かしていきたいかを書きたいと思います。


・「食」をテーマのミラノ万博
日本に似た国土を持ち、食材豊富なイタリアで、万博を行うことはとても素晴らしいと思った。
とりわけ有機農業が盛んなイタリア、会場のあちこちで「ビオ(Bio有機)」やスローフードの看板が目立った。
イタリア有機農業の父と言われている、ジロロモーニのブースに立ち寄れたことは、有機野菜を作っている私にとって、
とても意義深く、忘れられない日となったことは確かであった。
そして会場中央に位置する「生命の木」、まるで人類の食糧問題に問いを投げかけているように、威厳に満ちていた。


・家族経営のイタリア有機農家のアグリツーリズモ
有機農業を行う私にとって、今回の視察先で一番楽しみにしていた。
有機圃場の説明や、苦労話をうかがったが、とても理解でき親しみを持った。
息子さんが、有機認証の認定書を誇らしげに掲げる姿はとても印象的だった。
お昼にいただいたマンマ手作りの食事は、どれもどれもシンプルで素朴、有機小麦や有機野菜の素材の良さが生かされていた。
苦労して作られた有機ワインにはとても感動した。有機農場の他に農家民宿も、この家族たちの努力によって、成功してほしいと思った。


・効率重視、未来型オランダ農業
日本の九州の面積しかないのにアメリカに次いで世界第二位の農産物輸出大国、いまだに信じがたい事実。
産学官の、黄金のトライアングルで農家をバックアップする体制は見事!
驚異的生産性、労働の自動化、徹底した無駄の排除、農家のエネルギーサプライヤーなどなど全てが口あんぐり状態であった。
それでいて、有機的管理や、天敵導入技術、リサイクルなどちょっとは血の通った感覚もあり安心した。立ち寄ったスーパーにも有機トマトがでんと置かれていた。
特に感心したのは、収穫された野菜が次の日には店頭に並ぶと聞かされ、おおいに驚いた。
鮮度に関して彼らは注意を配り、その無駄のない輸送システムに大いに誇りを持っているらしい。恐るべしオランダ農業!!


・総括
有機農業国イタリアを日本の農業のお手本とすべきではないだろうか、とつくづく思った。
イタリアで感じたことは、人の明るさとおおらかさ、親しみやすさ、仕事のやる気のなさ(笑)?
それとチーズ、ワイン、サラミ、パスタなど地元の伝統的な食材をこよなく愛している、誇りさえ感じられた。
ということは、食材が健全だということ、つまり農家が健全だということにつながる。
ミラノの有機農家までの道程、何時間も変わらぬ美しい農村風景を見て思った、日本の農業のお手本とすべき国は、
イタリアだ!イタリアは地方都市の集合体。それぞれに町自慢がある。日本の何処へ行っても同じ景色は恥ずべきこと。
耕地面積の小さい日本に、どうして大規模化農業が必要なんでしょう。
経営効率を重視するあまり、どんどん農家が減少していく現実、オランダでさえも農家が減っているというのに。
農家が少なくなれば、地方の美しい風景が維持できなくなる。
「質のいい野菜を生産してくれる小農家をもっと守るべき」、これが私の視察を終えて思った結論だ。
で、私のこれからの農業に生かすことは、もっともっと私の有機野菜をアピールすること、誇りを持つこと、地域を愛すること・・・

明日からの農作業に意欲が湧いてきた。