藤娘に酔う

伝統芸能の今、と題し、
ここ金沢へ市川亀冶郎と、三響会の傳左衛門、傳次郎、亀井広忠がやってきた。
私は最近できたこの赤羽ホールへ初めてきた。

この公演料の一部が、ゴールド基金に寄付される。伝統芸能では珍しい。

公演はまず、幽玄な能の色の強い、道成寺組曲で始まり、亀治郎の素踊りが披露された。かっこいい。

引き続いて、4人の座談会。
この会の発起人、傳次郎から話が始まる。内容は「ゴールドリボン基金」について。
小児がんの子供たちを助けよう、完治後にも子供たちを支えてあげよう、というチャリティ企画に至った経緯を説明。

小児がんというのは、確かに治療費に関しては国からの支援があるが、問題は治ってからが大変。
小学校での勉強の遅れ、その分を取り戻そうとする時間とお金、心のストレス、病院への通院、いじめ等。
また大人になってから、放射線治療を受けたという、病歴の公表で、結婚や就職に影響するという。


彼ら4人は、とても恵まれた家庭に生まれ、舞台に立つことだけに、芸を磨いてきた。
毎日稽古に精進し、本番の舞台に立つという労働に精を出し、家に帰って飯を食べ、
寝て、また、次の舞台へ準備するという繰り返しの人生。物はある、金はある、将来も安定。
何不自由なものはない。私みたいな凡人にはわからないが、人間そうなると、
何で満足するか。

人の役に立ちたいという、欲が出てくるらしい。
HOW?舞台に立つことで、社会の役にたつことができないか?ということで、この会は企画された。

と、熱く雄弁にかたってくれた亀冶郎兄貴。

また傳左衛門は、同じ伝統芸能みたいな、大相撲の力士のことについて、
祝儀や、身にあまりあるお金を、博打に使い、お金の使い方を知らなかった、と嘆いた。
せめて博打に使う金があったら、そのお金の一部でもいいから、寄付金に回せば、追放されずにすんだであろう、と。


会場に訪れた、金沢の伝統芸能のきれいどころのお姉さまたちが、4人の若者の寄付の呼び掛けに賛同しおおにぎわい。
私もゴールドリボンの携帯ストラップをゲット。