歌舞伎座の桜

昨年初めて歌舞伎座へ行った。その時に撮った、歌舞伎座の緞帳。もう満開の花盛り。サヨナラ公演に行きたかった。
歌舞伎に桜は、御似合い。日本の美である。温泉に入った時と、桜を見たとき、あー日本人に生まれてよかったと思う瞬間。


最近知ったこと。

香川照之、という俳優。私が大好きな俳優であるが、彼の父は、なんと、なんと市川猿之助。ヒャー知らなかった。
香川照之は、北陸人か、と思はせる程、北陸にゆかりがある。
NHK大河ドラマ金沢の前田利家をテーマにした「利家とまつ」で、秀吉役、映画「剣岳」の山の案内役、長次郎を演じた。

かえるの子は、かえる。農家の子は、農家。恐れ入りました。

私の歌舞伎好きの発端は30代にさかのぼる。父の病気をきっかけに、もう家を空けるということができなくなった時。
何か、家で面白いことないかなと思い悩んでいた。
ある日、たまたま、妻R子がテレビを見ていて、「ねえねえ、玉三郎が七変化やっているよ。」と私に問いかけた。
いわゆる、玉三郎のお染の七役、だった。

全く興味がないわけではなかった歌舞伎だったが、その映像を見た瞬間「すげえ」と思った。
それからというもの、スカパーの「歌舞伎チャンネル」にはまった。ほとんど番組は録画し、夜のお楽しみになった。

素晴らしい歌舞伎役者をたくさん知ったが、その中でもひとつ抜けているのは、市川猿之助オモダカヤである。

月2000円の歌舞伎鑑賞。知れば知るほど面白い。同じ演目を飽きることなく見る。



猿之助お得意の宙乗り。江戸時代からあった、舞台の仕掛け。桜散る、岩藤の宙乗は、見たことがある。

この伊達の十役、今は海老蔵が頑張っているが、まだまだ味が出るまで時間がかかりそうだ。
歌舞伎の世界では、40代は、ヒヨコ。



この早替わりは初めて見た。どうなっているのかわからないぞ。
お染の七役の久作に出ていた、七代目団十郎が、鶴屋南北に書いてもらったのがこの、伊達の十役。



猿之助といえば、黒塚、代表作である。ビヨンセ顔負けのダンスである。永久保存版。
月の踊りは、ロシアン・バレエから、トウ・ダンスを取り入れている。
鬼女である老女が月光の下、自分の影と戯れて躍る。だんだんと鬼女に変身していく。歌舞伎はオモロイ。

唄、今藤長之さんの美声もう聞けません。



歌舞伎座の舞台に車椅子姿の猿之助を見かけたが。「歌舞伎界の異端児」と言われた猿之助の歌舞伎への貢献度は、恐ろしく高かった。
まことに残念至極である。彼ほどの才能をもった、歌舞伎役者が今後出てくるのか。



今晩のお酒の一品。

石川産の行者にんにくの天ぷら。春の香り、というよりもにんにく臭い。