月とあざらしと、隅田川

母アザラシは、行方知れずの子アザラシの帰宅を待ち、毎日氷山の上で悲しげにほえていた。
それを見ていたのは、月。「さびしいいか?」と月はアザラシに声をかける。
母アザラシは、「さびしくて、しかたがない。」

月が、母アザラシに持ってきたもの、それは太鼓だった。
母アザラシは、一人ぼっちの寂しさを忘れ子アザラシの帰るのを待って、
太鼓を鳴らし、踊り続けた。小川未明の童話。悲しすぎる。


今晩のTVの歌舞伎舞踊隅田川」。6代目歌右衛門のそれは、超有名。
能を題材に私の大好きな清元。
春の隅田川の美しい風景を舞台に、母と子の悲しい別れを描いた作品。
海外でも人気が高く、子を亡くした母の狂乱ぶりに、万国共通の涙を誘う。これも、悲しすぎる。


今日は母の日。母の好物のフライドチキンをプレゼント。
母よりも先に死んだら、母はどんなにか悲しむだろうな。
そんなことは考えまい。

ドボルザークの「母が教えたまいし歌」。これも泣ける歌。